この記事で伝えたいこと
・アピールポイントから欠点がわかる
・現地見学前にグーグルマップで確認
・敷地配置図と平面図は情報の宝庫
マンション・戸建のモデルルーム販売員を
10年以上やっている不動産販売レディです。
30戸程度の小規模マンションから、
千戸以上のタワマンまで、
あらゆるタイプの物件を扱ってきました。
そして、私自身も、分譲マンション
の居住経験があります。
売る側・買う側、両方の経験から、
後悔の無いマンション購入をするために、
気をつけるポイントについて解説します。
物件HPから欠点を推測する
物件公式HPや、スーモ等のサイトを見ると
多数のアピールポイントが記載されてます。
私たち販売側は、物件を魅力的に見せるため
どのようにアピールするか熟考しています。
時には、
欠点とも言える点を長所にする表現力
が求められます。
このため、広告を見る際は、
アピールポイントに隠された欠点を
推測する力が必要です。
幾つかのアピールポイントの例と、
その裏にある欠点について取り上げます。
<〇〇駅 北口5分、南口7分!>
物件概要には駅徒歩5分とありますが、
現地案内図を見ると、北口が最寄りなのに、
遠い南口も併記されている事があります。
その理由は、駅前が乱雑だったり等、
最寄りの駅入口に良い印象が無いからです。
この町の中心は駅の南側であり、
お店が充実していたり、街並みが良いため、
物件のある北側よりも良い環境である事を
不動産会社が認識しているのです。
このため、少しでも印象を良くするため、
周辺環境の写真は南側を中心に掲載し、
人気の南口に近い事をアピールするのです。
これ以外にも、駅までの経路について、
複数ルートが示されている場合も注意です。
車と徒歩ルートが別であるケースを除き、
最短コースに何らかの問題がある筈です。
例えば、道幅が狭いのに交通量が多い、
逆に暗くて寂しい通りとか、
如何わしい店があって治安が良くない等、
実際に見て確認する必要があります。
<角地に位置した解放的なロケーション>
角部屋は人気のある間取りですが、
マンションの立地が角地であることは
必ずしも利点とは限りません。
マンションが建設できる角地は、
交通量の多い交差点である場合が多いです。
図のように、車の出入口が
信号待ちで塞っている事が多い場合、
車を出す時はもちろんのこと、
帰宅時も反対車線から入りにくいです。
車を利用しなくても、交差点では、
アイドリングや、クラクション等により、
騒音が大きくなります。
また、開放的という事は遮るものが無い為、
遠くの騒音まで聞こえてくるし、
風が強すぎて、洗濯物が飛ばされます。
特に上層階での風の強さは想像以上です。
台風で、ベランダに置いた椅子やテーブルが
飛ばされる事も珍しくありません。
このため、ベランダに物を置いたり、
洗濯物を干す事を禁止する物件もあります。
<大規模再開発プロジェクト>
工場跡地などの広大な敷地に建てる場合、
地元住民による建設反対運動に対処すべく、
地域に貢献する施設を設ける事が多いです。
具体的には、マンション住民だけでなく、
地域の人も利用できる公園や緑道、
共用施設が設けられます。
これらの設備の維持管理ですが、
その殆どをマンション住民が負担します。
また、公園や緑道に近い部屋を選んだ場合、
夜中の騒音に悩まされる恐れがあることを
考慮しておく必要があります。
見学前にグーグルマップで確認
モデルルーム見学の際、
営業マンが現地を案内してくれます。
モデルルームと現地は離れている事が多く、
移動には、契約したハイヤーを使います。
運転手には、予めルート図を渡しており、
走行コースを事前に指示しています。
ときめく街並みや周辺環境に見えるように、
営業マンが考えたコースです。
それが、たとえ遠回りだとしでも
その方向から見た方が印象が良いのです。
裏を返せば、都合の悪いものは
気がつきにくいようにしています。
このため、現地見学に行く前に
googleマップのストリートビューで、
周辺環境をチェックして下さい。
チェックするのは以下の点です。
<今後、環境が変化しにくい所か?>
部屋の前が一戸建でも安心はできません。
広い一戸建は住民が高齢である場合が多く、
早い時期に相続が発生し、
マンションが建つ可能性が高いです。
逆に学校や消防署などは
音が気になるので避ける人もいますが、
環境が変化する可能性は低いです。
<出入口付近の交通量や見通しの良さ>
交通量が多いと車の出入りがしにくいです。
特に出入口が交差点に近いと、
信号待ちの車で道が塞がってしまいます。
また、徒歩や自転車利用の場合、
歩道が整備されている道だとしても、
注意すべきポイントがあります。
坂道になっていると、自転車が勢いよく
下って来るので危険です。
自転車は歩道を走行してくる事もあるので、
車より、やっかいとも言えます。
出入口付近の道路の画像を見た時に、
『どんな危険が潜んでいるか?』
を想像する事が大事です。
<通勤、通学で通る道路は安全か?>
マンションの周囲だけ道幅が広く、
他は狭い事がよくあります。
これは、マンション建設前は、
道路幅4m未満の狭い道だった為、
建設時にセットバックした為です。
利用するコースは全て確認し、
車のすれ違いがギリギリな狭い道で、
交通量が多い所は避けるべきです。
「学校が近くて通学は安心」
と思っていても、
近いことで別の問題が起きます。
朝は周辺道路がスクールゾーンになるので、
通勤時、車や自転車を利用しようとしたら、
遠回りしなくてはなりません。
また、通行できたとしても、
道路や歩道に生徒が溢れていて
通行に支障が出るので注意が必要です。
他にも、保育園・幼稚園が近くにあると、
朝夕は、送り迎えの車が路駐して、
道路を塞ぐ事もあります。
<橋を渡る必要があるか?>
川が近くにある物件の場合、
橋に交通が集中し、道路が混みます。
リバーサイドと言うと聞こえは良いですが、
慢性的な渋滞に悩まされるかもしれません。
<周辺道路沿いに空地が点在してないか?>
図のような空地を見かけたら、
その道は計画道路かもしれません。
計画道路の場合、将来道路が拡張されて、
騒音問題が起こる可能性があります。
<周辺道路の交通量を確認する>
googleマップの交通状況表示で、
各曜日の時刻別に交通量が確認できます。
渋滞度が色で表現されているので、
色毎の渋滞の度合いが知りたい場合は、
自分がよく知る地域を見て確認します。
これを使えば、物件周辺の騒音が予想でき、
通勤・通学路が安全かどうか確認できます。
現地見学の前に、交通状況について、
見学する曜日と時間帯を確認しておけば、
実際に見た道路状況を基準にして、
他の曜日や時間帯の状態を推測できます。
また、この交通状況マップを見る事で、
抜け道の存在に気付く事もできます。
例えば、街道と並行している道は、
道路が混在している事が多く、
抜け道として利用されるケースが多いです。
同じように並行していても、
途中で分断されている道路は、
交通量が極端に減少します。
道一本違っただけでも、
静寂性や安全に大きな差があるのです。
敷地配置図をくまなくチェック
モデルルームに行くと、図面集が貰えます。
この図面集には間取り図の他に、
敷地配置図や各階の平面図が入っています。
この敷地配置図と平面図をよく見る事で、
様々な問題点に気づく事ができます。
<生活動線を想像しながら、たどってみる>
敷地配置図は、
実際に住んだ時の歩くコースを想像しながら
チェックしていきます。
物件によっては、メインエントランスの他に
駅やバス停に近い別の出入口があります。
この場合、
立派なメインエントランスがあっても、
毎日の生活で殆ど使う事がありません。
しかも、メールボックスやゴミ置き場が
メインエントランス側にある場合、
毎日の事なだけに不便を感じる事でしょう。
自転車置き場については、
スロープの有無を確認します。
スロープが急だと、出し入れに苦労します。
図面上では勾配を確認できないので、
営業マンに問い合わせる必要があります。
機械式駐車場は、待機エリアが狭いと
他の人が出し入れしている場合、
敷地内に入る事ができず不便です。
特にタワーパーキングの場合、
一度に一台しか出し入れができません。
機械式よりも待ち時間も長くなる為、
十分な待機エリアが無いと厳しいです。
<エレベータの混雑度を予測する>
エレベータ一基あたり50戸以内なら、
待ち時間が短くて快適ですが、
大規模マンションでは、まずありません。
エレベーターが複数台ある物件の場合、
どれを利用するかによって、
1基あたりの戸数が、かなり違います。
実際にある大規模物件の例を見ると、
エレベーター1基あたりの戸数が、
少ない所で51戸、多い所では127戸と
なんと2.5倍もの差がありました。
ここまで差があると、
混雑度にかなりの差があるのですが、
エレベーターの維持管理費に差は無いです。
平面図を見れば、エレベーター毎に
利用対象となる戸数がわかります。
1階部分が店舗になっている物件なら、
全世帯がエレベーターを使うので、
混雑度が増します。
また、建物の高さは
道路や隣地に対する斜線制限を受ける為、
上層階の住戸数が減る物件もあります。
このため、同じ階数と総戸数でも、
エレベーター1基あたりの戸数は
物件によって、かなり違うのです。
★モデルルーム見学前の予習に必要な、
情報収集のやり方について解説しています。
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販売前の情報を入手する方法を解説してます