この記事で伝えたいこと
・モデルルームはオプションの為にある
・価格は相場観を植え付けた後に提示
・営業マンが席を外しても会話は要注意
・盛況感を出す為の演出に惑わされない
・抽選会に不正は無いが優遇はアリ
モデルルーム見学を有意義なものにするには
販売側がどんな事を考え、
行動しているかを知ることが大事です。
この事を知っておくことで、
相手のペースに載せられる事なく、
冷静な判断ができるようになります。
モデルルーム販売10年以上の経験から、
客からは見ることができない
モデルルームの裏事情について解説します。
モデルルームは客をときめかせる為にある
購入検討者にとってモデルルーム見学は、
その家で生活した場合のイメージを掴むため
に行うものと考えています。
しかし、販売側はそう考えていません。
モデルルームは生活感を持たせる為でなく、
「こんな所に住みたい!」と思わせ、
ときめかせる為にあるのです。
なので、モデルルームには生活感を感じる
TV、洗濯機、冷蔵庫は置いていません。
その代わり、スタンドライト等を置いて
必要以上に照明を配置します。
そして壁に全面鏡や姿見を埋め込み、
広く・明るく演出しています。
それらは、もちろんオプションです。
オプションを付けているのは、
価格を吊り上げるためです。
お客に最高の状態でときめいてもらい、
購買意欲を上げようとするのです。
見学時は広さと光の演出に惑わされず、
冷静に判断するよう心掛けることです。
価格は最後に伝え、お得感演出
モデルルーム見学は以下の流れで行います。
所要時間は通常2時間~2時間半です。
1.アンケート記入
ここで、購入する意思と予算がある客と、
それ以外を選別します。
可能性のある客は営業マンが付き、
そうでない客は派遣スタッフに任せます。
2.ヒヤリング
アンケート記入で空欄があると、
ここで聞き出そうとします。
ここできちんと回答しない客も
営業対象から外していきます。
3.事前説明
我々は前説(まえせつ)と呼んでいます。
すぐに見学することはできません。
物件説明と称して、
様々なアピールをします。
シアタールームで10分程の上映会を行い、
音と映像を使い、気分を盛り上げます。
4.見学
先程説明した通り、
オプションにより明るく・広く演出された
部屋を見てお客をときめかせます。
5.事後説明
後説(あとせつ)と呼ぶ見学後の説明でも、
すぐに価格は伝えません。
比較対象となる他社物件の価格を提示し、
相場感を植え付けます。
そして、最後の最後に価格表を提示します。
この時、客は相場価格を聞いているので、
仮に相場より高いとしても、
華やかに演出された部屋を見て、
ときめいているので、高いとは感じません。
むしろ、他よりグレードの高い物件を
この金額で手に入る、お得感さえあります。
6.次回来場予約
営業マンは次回アポを必ず取ろうとします。
それがノルマなのです。
通常、購入を決める迄に
最低でも3回は来場しています。
逆に言えば、回数が増えれば
購入する可能性が高まるので、
営業マンは次回に繋げようとします。
ここで、買う意思が無いなら、
はっきり伝えた方が粘られずに済みます。
営業マンが席を外しても会話は要注意
2回目以降の来場では、
購入の決断をする段階になってきます。
この時、営業マンが話し合いの途中で
席を外した時に夫婦で相談する事もあるかと思います。
その会話は聞かれているかもしれません。
女性スタッフが片づけ等で、
近くに近づいて来た場合は要注意です。
話の内容をインカムを使って
営業マンに伝えている事があります。
あと一押しで決まるか見極める為です。
聞かれては困る話をする場合は
気を付けてください。
アンケートで車種を聞く理由
アンケートに駐車場の有無の項目があり、
そこに車種を書く欄があります。
この質問の理由ですが、マンションの場合は
機械式だと車種によって制限がある為です。
戸建ての場合は、2台駐車できる物件でも、
大形車2台は無理な事があります。
そして、駐車スペース以外にも
チェックしている事があります。
お客の金銭感覚です。
収入が高くないのに高級車に乗っている場合
ローンの審査が通るか怪しいと考えます。
契約しても審査が通らなければ、
キャンセルになってしまいます。
そのため営業マンは、
ローンが通らなそうな客は
相手にしたくない訳です。
なので、軽自動車だからと言って
ぞんざいな対応になることはありません。
最初からある成約ボードのバラ
成約ボードにバラが貼られていても、
その部屋は購入できるかもしれません。
盛況観を演出するために、
最初から数カ所、貼り付けます。
その部屋を希望する客がいたら、
『成約済でしたが、ローンの審査が通らず、
キャンセルになりました。』
と言うだけです。
バラが沢山貼られていると
確かに華やかで気分が盛り上がります。
モデルルームの所長が変わると、
所長の考え(趣味?)で、
バラの色を全部変える事もあります。
それだけ演出には気を使っているのです。
誰も来ない商談エリアの予約席
盛況感の演出はバラだけではありません。
商談エリアのテーブルに
予約席の札が置かれている事があります。
でも、そのテーブルに
お客が来ることはありません。
来客が少ない時に、
閑古鳥の雰囲気を出さない為の演出です。
また、客が見学中で離席時には、
使用中の札をテーブルに置く事もあります。
がらんとした印象を受けないように
様々な演出をしているのです。
お客の前で業務連絡する訳
営業マンが見学や話し合いの最中に
別の社員が業務連絡を伝えに来るのは
意図があります。
目的は、『人気の物件なので、
早く決めないと売れてしまうかも!』
を印象づけるためです。
こんな例があります。
大型戸建分譲の場合、
各住戸に社員は常駐せず、鍵をかけており、
見学時に営業マンが鍵を持って案内します。
そして、見学中に別の社員が来て、
案内している営業マンに、こう言います。
『この物件を見学ご希望のお客様が
お待ちしているので、
あと、どのくらいで戻りますか?』
営業マンは、あと○分で戻ると答えますが、
それを聞いたお客は、
この物件を狙っている人がいることを知り、
焦るようになる訳です。
もちろん、待っている客はいません(笑)
このように、様々な手段で盛況感を演出し、
客の購買意欲を高めようとしているのです。
抽選会は公正に行われている?
希望者が複数いた場合の抽選会ですが、
私が知る限り、公正に行われています。
コンプライアンスが厳しく、
SNSが発達した今、
不正はリスクが高すぎます。
ちなみに、抽選会では
町の福引で使うガラポンを使います。
まず中身が空のガラポンをお客に見せます。
最初に申し込んだ人が1番の球、
次の人が2番の球と、番号を決めます。
そして、それぞれの番号の球を
ガラポンに入れます。
この時、不動産会社の友の会員などで、
倍率優遇がある場合、
その分、球の数を増やします。
その場で不動産会社の人が
ガラポンを回して決まります。
お客が不参加でも、回す人の他に
別の社員も立ち会います。
その社員は不正が無い事を誓う
誓約書まで書いています。
<抽選会で倍率優遇を受けるための方法を解説してます>
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