この記事で伝えたいこと
・抽選会は欠席しても当落に影響なし
・当選後キャンセル可能だがリスクあり
・落選したら、どうするか決めておく
マンション・戸建のモデルルーム販売員を
10年以上やっている不動産販売レディです。
数百区画もある大規模分譲住宅から、
千戸以上のタワマンまで、
あらゆるタイプの物件を扱ってきました。
人気の物件では必ず抽選が行われます。
抽選会場では、当選で歓声を上げる人あり、
落選して怒ったり、涙を流す人あり、
まさに喜怒哀楽の人生模様が見られます。
本記事では、
抽選会で起きた様々な出来事を紹介しながら
抽選の仕組みや裏事情を解説します。
抽選会を欠席した客が当選
結論から言うと、
抽選会の出欠は当落に全く影響しません。
抽選は福引で使うガラポンを使いますが、
回すのは客では無く、営業スタッフです。
客が不参加の場合でも、回す人の他に
別の社員も立ち会います。
その社員は不正が無い事を誓う
誓約書まで書いています。
抽選のやり方は、まずガラポンを開き、
中身が空であることを参加者に見せます。
最初に申し込んだ人が1番の球、
次の人が2番の球と、番号を決めます。
そして、それぞれの番号の球を
ガラポンに入れます。
この時、不動産会社の友の会員などで、
倍率優遇がある場合、
その分、球の数を増やします。
このため、倍率3倍以上だとしても、
実際には一対一の勝負である事が多いです。
スタッフが回して出た番号が当選者となり、
その1時間程度後に開催される、
重要事項説明会(重説)に参加します。
抽選会の後、すぐに開催しないのは
理由があります。
この重説は無抽選で決まった客も含め、
購入予定者全員をまとめて行います。
そのため、抽選会に参加しなかった客も
当選の連絡を受けてからでも出席できます。
抽選会では、家族全員で意気込んで来たが、
欠席した客との勝負に敗れるという事も
普通に発生していました。
ガッカリして帰っていく家族連れを見て、
我々スタッフ同士で、
「あの家族に当選して欲しかったね~」
と話すこともあります。
「公正に抽選する」という事は、
ある意味、残酷なのです。
当選後キャンセルを繰り返す客
当選し、重説に参加した後でも、
売買契約を結ぶまではキャンセルできます。
そのようなことをする客は稀ですが、
当選後2度もキャンセルした人がいました。
その人は、物件Aでキャンセルした後、
近隣エリアの物件Bでも繰り返しました。
物件A、Bは別の部署が担当していますが、
来場客のデータは共有しているため、
繰り返しキャンセルしている事が分ります。
その客が3つ目の物件に来た時は、
要注意客として対応したことで、
応募することなく、去っていきました。
こうなってしまうと、
この客は良い物件を購入することは
今後できないでしょう。
ルール上、OKだからと言って、
これは非常に迷惑な行為です。
客が購入の意思を示す要望書を提出すると、
後から、この部屋を希望する人がいても、
他の部屋を提案する等して、
抽選になるのを可能な限り回避します。
キャンセルは、抽選に参加できなかった人の
購入の機会を奪ってしまう事になるのです。
落選した客がとった行動
抽選結果が出た直後の客の反応ですが、
黙っている人が殆どの男性に対し、
女性は感情を表に出す人が多いです。
当選した時は、控えめながらも
歓声を上げています。
逆に落選したら、泣き崩れてしまい、
女性スタッフに支えられながら退場
ということもあります。
また、抽選の度に落ちる人も結構います。
大規模物件は期分け販売するので、
抽選もその度に行われます。
前回落選した客が、再び抽選となっても、
優遇されることは無いため、
次も駄目という事も珍しくありません。
中には激怒してしまい、妻と子供を残し、
会場から去ってしまう人もいて、
担当者が慌てて後を追うという事態に(汗)
このような光景を見る度に思うのですが、
落選後の事も考えて抽選に臨むべきです。
次期販売まで待つか?
別物件を探すか?
家探しをやめるか?
次に取るべき行動を決めておけば、
取り乱す事無く、次のステップに進めます。
また、抽選で何度も外れる客は、
人気の部屋に固執する傾向があります。
そういう客は見栄っ張りの人が多く、
対応がぞんざいなので、落選しても、
スタッフは全く同情していません(笑)
もちろん、大きな買い物ですから、
妥協したくない気持ちはわかりますが、
ある程度、条件を広げておかないと
時間だけが過ぎていく事になります。
希望の部屋を手に入れるには
購入要望書を提出すれば、
後から希望しても基本的には断るので、
無抽選で手に入る可能性は高くなります。
販売側としても、
一部の部屋の倍率が高くなるより、
早期に完売できる方を望んでいます。
しかし、早く申し込んだからといって、
倍率優遇はされないので、
後だしの客が当選する場合もあります。
それでも、
購入要望書を早めに出すメリットは
次のような理由があります。
・販売スケジュールや最新情報を
いち早く伝えてくれる。
・希望住戸の倍率状況を
定期的に伝えてくれる。
要望書は希望の部屋タイプや階数を
第3希望まで記入することで、
自分の中で優先順位が明確になります。
また、倍率状況を見て順位を変更するなど、
臨機応変に対応できます。
従って、早めの要望書提出によって、
希望する部屋が入手できる可能性を
高めることができます。
そのためには、
販売情報を早く入手することが非常に重要で
ネットに掲載される段階で来ても遅いです。
掲載前の情報を入手するためには、
不動産会社の友の会に入会したりして、
販売前情報を入手することが必要です。
販売前の情報を入手する方法は下記記事で解説しています。