この記事で伝えたいこと
・第一期は条件の良い部屋から販売
・人気が無いと次期販売に変更する事も
・2LDK、4LDKが先に売れていく
モデルルーム販売員として、
様々なマンションを扱ってきました。
その中でも、大規模マンションは
資産価値が落ちにくいことから人気があり、
モデルルームの客も絶えることが無いです。
このため、販売開始早々に人気の部屋が、
あっという間に売れていきます。
また、大規模物件の特徴として、
小出しに販売する期分け販売を行うため、
希望の部屋がなかなか手に入りくいです。
本記事では、期分け販売する部屋の順序と、
その理由について説明すると共に、
どんな部屋から売れていくのか解説します。
期分け販売と売れていく順番
数百戸を超える大規模物件では
販売開始から終了まで2年以上かかります。
これまでの販売経験から、多くの物件が、
以下に示す様な順番で販売していき、
売れていく傾向があります。
販売初期
一番最初となる第一期販売は、
出し惜しみすることなく、
人気のある特殊住戸から販売していきます。
特殊住戸とは、以下の様な
他の部屋には無い特徴を持つ部屋です。
・最上階
・ルーフバルコニー付
・専用庭付
これらの部屋を初期段階で販売する理由は
初めに好調な売れ行きを見せる事で
人気物件の印象を持たせる為だけでなく、
特殊住戸の価格を開示しても、
周囲の通常住戸との比較が難しいため、
他の部屋への価格設定に影響しない為です。
通常の部屋の場合、価格が決まると、
間取りや面積が同じ為、
上下階の価格が決まってしまいます。
特殊な事情が無い限り、
下の階の方が価格が高くなる事は無いです。
このため、通常住戸の価格を開示する際は、
限定した階数、間取りの部屋だけです。
周辺の部屋の価格は、客の反応を見て、
価格調整しながら少しづつ開示します。
この段階では、未販売の部屋を希望しても、
周囲の未販売である部屋の価格調整が
難しくなるため簡単には売ってくれません。
販売中期
1年近く経過した中期での販売状況です。
大規模物件では3LDKが中心となるため、
部屋数の少ない2LDKと4LDKは
この時期には完売しています。
大規模物件に限らず2LDKは人気があり、
販売側にとって売りやすい部屋です。
DINKs、子供一人、シニア夫婦など、
対象範囲が広く、使い勝手が良い間取り、
コストパフォーマンスが高いことから、
放って置いても売れるのです。
この時期になっても、
未販売の住戸が結構残っています。
この中には、初期に売り出したが、
客の反応が悪いため、
未販売に変更したものもあります。
これは、下層階に見られる傾向で、
一度、価格を未定にすることで、
後に価格を下げたとしても、
気づかれないようにしています。
販売後期
中期から半年程度経過した状態です。
発売から2年近く経っても、
未だに次期以降販売住戸が
上層階と低層階の両方に残っています。
低層階は前に建物や大きな樹木があると、
なかなか売れません。
このため、予定価格よりも値下げして
販売することになります。
この低層階の値下がり分を回収するために
上層階の価格UPを考えている事から、
価格未定にしています。
このため、上層階を希望していても、
下層階がある程度売れてからでないと、
販売開始となりません。
低層階については、
売れ残っている場所には理由があります。
この例の場合、この部屋の前面に
鉄塔が立っているからです。
このため、販売中期の状況を見ると、
同じ列の部屋の上層階が
売れ残っていたことがわかります。
このような事は図面ではわからないので、
googleマップのストリートビューで、
部屋の前には何があるか確認するべきです。
この時、前面の樹木が落葉樹の場合、
撮影時期や見学時が冬だと気になりませんが
夏には葉が生い茂り、秋には大量の落ち葉が
庭やベランダに入ってきます。
現地モデルルームでは、落ち葉掃除が
日課になっている物件もありました(笑)。
★ストビューを使った周辺チェック方法を
下記記事で解説しています。
★販売員が教える
モデルルーム見学のポイントです。
★良い物件を見つけるために必要な
販売前の情報を入手する方法を解説してます